道中、この長距離を運転して下さったのはこれまでにも色々とお世話になっているカメラマンのHさんです。前乗りして全部の旅程を確認した上で、我が儘を聞いて山道を通る寄り道までして下さったのです。しかも、私は車の中でほぼ寝ていたというアレっぷり(車酔いする体質なので必ず酔い止めを飲むのですが、そうすると大体寝てしまうのです)だったのですが、Hさんは最初から最後までずっと優しかったです。我が儘を聞いて下さり、本当に頭が上がりません。
紀行文では書けないかもしれないのですが、アテンドしてくれた編集さんや、同行して灯台のいろはを教えて下さった方など、たくさんの方に助けて頂きながらの旅となりました。重ねて御礼を申し上げます。
さて。ここから先は余談です。
最終日、鳥羽駅で車を降りたのは17時15分でした。「流石に何かお土産が欲しいね!」と言い合い、駅と連結した「ショッピングから、真珠専門店、お土産、食事まで楽しめる複合施設」と謳われている鳥羽一番街に入ったのが17時20分。入った時には「蛍の光」が流れていたので「あっ」と思いました。なんと、鳥羽一番街さんの閉店時間は17時30分だったのです!
慌てて駅から直結した階を一回りし、かろうじてお手頃価格のイヤリングを買うことが出来ましたが、それもぎりぎりでした。いや、他にも素敵な真珠のお品や美味しそうなものがいっぱいあったので、かなり後ろ髪をひかれましたね。次にここに来る時は鳥羽水族館やミキモトの真珠島と合わせて、ゆっくり見て回れるようにしよう、と思いました。
そして、17時40分の特急に乗り、あとは帰るだけ――というわけにいかないのが文春の組む旅の醍醐味です……。
【次回、驚きの名古屋編に続きます】
阿部智里(あべ・ちさと) 1991年群馬県生まれ。2012年早稲田大学文化構想学部在学中、史上最年少の20歳で松本清張賞を受賞。17年早稲田大学大学院文学研究科修士課程修了。デビュー作から続く著書「八咫烏シリーズ」は累計130万部を越える大ベストセラーに。松崎夏未氏が『烏に単は似合わない』をWEB&アプリ「コミックDAYS」(講談社)ほかで漫画連載。19年『発現』(NHK出版)刊行。「八咫烏シリーズ」最新刊『追憶の烏』発売中。
【公式Twitter】 https://twitter.com/yatagarasu_abc
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