過去に書いた「第56回:バジルを育てる」で取り上げた、水耕栽培のバジルちゃんについて続報です。
もったいぶっても傷が深くなるだけなのでさっさと申し上げますと、うっかり……枯らしてしまいました……。
いや、これに関しては少し言い訳させて下さい。不幸な事故だったのです。
バジルのボトルをひっくり返したり、床に落としたり、肥料をぶちまけたりもしましたが、我々はそれなりにうまく共生していました。
前回のコラムではあえて言及しなかったのですが、実はバジルのボトルは2つありました。前回写真を載せたほう(以下1号)は健やかにすくすく伸びていたのですが、もう一方(以下2号)はあまり成長が芳しくなく、このまま枯れちゃうかな……枯れちゃうなら破滅が決定的になる前に食べてやったほうがこいつにとっては幸せかな……でも枯れかけたバジルって美味しいのかな……どうせ食べるなら元気なほうの葉っぱ何枚かもらったほうが絶対美味しいだろうしな……あれ、トマトって買ってあったっけ……トマトはあったけどモッツァレラチーズは買いに行かないとな……と堂々巡りしていたため、肥料を入れた水だけはトポトポ与えつつ、それ以外は放置していました。
するとある時、今までボトルのネック部分にかかって見えなかった場所に、小さな芽がちょこんと出ているのに気が付いたのです!
1号は、頂芽というのでしょうか? どんどん上に伸びた葉っぱの先っぽに芽が出ていました。てっきり、2号も新芽が出るならそこだろうと思い込んでいたのですが、なんと茎の側面からにょきっと生えて来たのです! これは側芽というのですね。
いやあ、てっきりもう私が夕飯にするしかないかなと覚悟を決めかけていたので、2号の生命力には感動してしまいました。ちゃんと手間をかければ応えてくれる。やはりバジルの水耕栽培は面白いし、私の生活スタイルにも合っている、と改めて確信しました。
バジルちゃん達への愛はますます深まり、ボトルも大きいものに変えました。水耕栽培の場合は根っこが全て水に浸かっていないほうが良いことも知り、スポンジを購入して(不器用ながら)切り刻み、うまいこと茎を挟んで、根っこの一部分が空気に触れる絶妙な位置に固定しました。
今までボトル内部で縮こまっていた2号の側芽は、空気と適度な日光に触れ、ぐんぐん伸びていきました。
あれほど大きさに差があったというのに、なんということでしょう。1か月も経てば、2号のほうが立派に見えるくらいです!
つやつやの葉っぱに、水の中で白く輝く繊細な根っこ。
どんどん芽が分岐して健康的に増え行くバジルに私はうっとりし、これなら数枚貰って、いよいよ料理にも使えそうだな、と思っておりました。
うっかりバジルに根を生やしてからというもの、同じことの繰り返しになるのも目に見えているし、というか家にしっかりバジルがあるのにスーパーで買って来る気持ちにもなれず、ずっとバジル断ちしていたのです。
久しぶりの生バジルが自分の育てた葉っぱとか、最高だぜ!
そう思っていました。
思い出して頂きたいのが、拙コラム60~62回【病院は早めに行こう!(1)(2)(3)】においてご報告した、膝をアレして入院した事件です。バジルちゃんの水耕栽培は退院した後に始めた趣味だったのですが、退院して1年後、もう1回入院することになってしまいました。
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