4月1日はエイプリルフール。嘘を思いきり楽しむ日です。
この世に嘘のタネは数あれど、人智を尽くした最高の「嘘」といえば、なんといってもミステリー小説!
思わず目を背けたくなる恐怖の「嘘」から、隅々まで計算された論理的な「嘘」、世界がひっくり返るどんでん返しの「嘘」まで、とっておきの「嘘」を堪能できるミステリー5作をご紹介します。
米澤穂信『Iの悲劇』(文藝春秋)
新直木賞作家の傑作ミステリーです。
無人のまま放置されていた元限界集落。新たに就任した市長がIターン推進を公約し、村落の「再生プロジェクト」を発足させるところから物語の幕が開きます。 ところが、移住してくる世帯を次々に襲う不可解なトラブル――。この共同体の背後には、ある「嘘」が存在したのです。
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・書店員さんの感想
織守きょうや『花束は毒』(文藝春秋)
私立探偵が調査する過去の「事件」。そこに秘められた「嘘」は、あまりにも強烈で、読者は思わず言葉を失うことでしょう。
あなたがもし作中の探偵なら、知ってしまった真実を当事者に告げるでしょうか、それとも胸にしまっておくでしょうか。
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・織守きょうやさんインタビュー
・書店員さんの声
宮部みゆき『名もなき毒』(文春文庫)
吉川英治文学賞を受賞した、杉村三郎シリーズ初期の名作。
日常にひそむ“悪意”を描かせると、宮部さんの右に出る作家はいません。
悪意がもたらす「嘘」の衝撃に、心の底から震えるほかない1冊です。
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乾くるみ『イニシエーション・ラブ』(文春文庫)
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大山誠一郎「復讐日記」(文春文庫『赤い博物館』より)
死亡した被疑者が残した1冊のノート。そこには未解決事件の謎を解く鍵が――。
いわゆる「手記もの」ミステリーの傑作です。ミステリーに「手記」が登場すると、そこには必ず何らかの「嘘」が含まれているといっていいでしょう。「嘘」あるいは「意図的な書き落とし」によって読み手の「誤読」を誘い、事件を自分の思い通りに動かそうとする書き手の狙いが存在するからです。
では、この手記のどこに「嘘」が含まれているのか? 手記を読んだあなたの抱く「違和感」こそが、事件解決の糸口になるはずです。
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