結論から申し上げますと、めちゃくちゃ面白かったです! 作品数が多くて半分ほどしか見られませんでしたが、連れて行ってもらって本当に良かったと思いました。

 もともと私は、アートに苦手意識がありました。

 昔から美術館よりも博物館が好きで、せっかくの名画の展覧会に連れて行ってもらっても、「ほほう(よく分からん)」で終わってしまう子どもだったのです。一応作家らしく「とある名画にインスピレーションを受け……」とかいうエピソードのひとつでもあったら面白いんですけどね。そういうことは全くありませんでした。

 恥ずかしながら、「変なこと言ったら私の勉強不足が露呈しそう……」みたいなちっぽけな自尊心が邪魔をして、大学生くらいまではアートを敬遠している節すらあったのです。

 そんな意識に一石を投じたのは、「実際の値段は無視して、自分ならどの作品を買うか、という意識を持つと見る目が変わる」という話を聞いたことでした。

作者:西島雄志 Yuji Nishijima / Gunma 作品名:真神 MAKAMI (Deified Wolf)

 最初は「何じゃそら! 芸術作品をそんな俗っぽい目で見ていいのか?」などと思っていたのですが、試してみると効果てきめんでした。

「どれを部屋に飾ろうかな?」

「あの絵なら、寝室に飾ったらリラックスできるかも」

「あれが仕事部屋にあったら元気になれそう!」

 そんなふうに思うだけで、作品を見るのがずっと楽しくなったのです。

 私にとって、アートが「勉強」から「楽しみ」に変わった瞬間だったかもしれません。しかも仕事柄、絵を描く方と触れ合う機会も多くなり、だんだんと絵画やアートを自分から見に行きたいと思うようになりました。

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